新プログラムは、映画「陰陽師」より「SEIMEI」を用いた、和がテーマのプログラムになっています。
そして、この振付、実はカナダ人のシェリー・ボーンさんが振付を担当しました。
一体、カナダ人に陰陽師、そして阿部晴明が理解できていたのかなぁ、とちょっと疑問に思っちゃいました。
今回は、振り付けも含めて、羽生結弦君がインタビューに答えていましたので、その記事をもとに、和がテーマの新プログラムが世界でどう評価されるか、勝手に考えてみました。
なぜ新プログラムを「陰陽師」にしたのか?
※Sportivaより引用
今シーズンは、挑戦というか、自分の幅を広げてみようかなという思いがあって
という羽生結弦君。
いろいろな曲を聴いてみました。でも、なかなかシックリこないまま、自分に合うものは何なのかと試行錯誤しながら考えているうちに、『和ものもいいかな?』という思いが浮かんできたんです。※Sportivaより引用
ということで、和ものの音楽を聴きこみ、選んだのが「陰陽師」だったそうです。
たぶん今の日本男子で、”和”のプログラムを表現できるのは自分しかいないと思っている※Sportivaより引用
というんですから、「和」にたどり着かないわけがないですよね。
はたから見たって、羽生結弦君は、「和」のど真ん中っていうイメージだし、グッチョイス!!だと思いますけどね。
新プログラムのタイトル「SEIMEI」
2015-2016シーズンのフリーのプログラム名は「SEIMEI」。
陰陽師の主人公、阿倍晴明(あべのせいめい)の名前ですね。
もともと、阿倍晴明は平安時代の陰陽師。
陰陽師とは職業のことで、まあ簡単に言えば、霊媒師とか占い師とか悪霊退散!みたいな感じでしょうか。
この、「SEIMEI」というプログラム名は、曲名と思っていたら、羽生結弦君が自ら命名したそうです。
もちろん、阿倍晴明にちなんでのことですが、他にもある同名の日本語の意味も込めたかったという思いがあるとのことです。
調べてみると、
「清明」清く明らかなこと。また、そのさま。※goo辞書より引用
「生命」1.生物が生物でありつづける根源。いのち。 2.ある方面で活躍しつづけることができる根源。
3.人や物事がよりどころとするもの、また、それなしには価値がなくなるもの。
「姓名」名字と名前。氏名。
「盛名」りっぱな評判。盛んな名声。
「声明」1.古代インドの五明 (ごみょう) の一。 2.仏教の経文を朗唱する声楽の総称。
「声名」よい評判。名声。ほまれ。
などがあります。
うーん、意味深い。
日本語の意味まで考えてプログラム作成に臨んだ羽生結弦君、やる気みなぎってますね。
それなのに、振付師はカナダ人?
こんなに和を意識しているのに、振り付けは、2014-2015シーズンののフリー『オペラ座の怪人』を振付した、シェイリーン・ボーンさん。
彼女(女の人です)とは、昨シーズンから初めて振り付けをやってもらっていますね。
そうなんですけど、名前見りゃわかるんですが、シェイリーン・ボーンさんは外国の方で、カナダ人です。
和。。。。和。。。カナダ。。。和。。。
大丈夫なのかな??
本当はこういうテイストの曲は日本人に作ってもらった方がもっと”和”の雰囲気が強くなると思いますが、あまりにも日本らしくしすぎるのはどうなのかな?という思いがあったので、日本人ではなく(カナダ人の)シェイリーン・ボーンさんにこの『SEIMEI』を振りつけてもらって、世界から見た日本の素晴らしいところもピックアップしていければと考えました。※Sportivaより引用
やっぱり、カナダに拠点を移して、日本人の考える日本と、世界の人が見る日本との違いを理解していたんでしょうね。
すごく冷静で、世界で戦っているという自覚に満ちていると思います。
私も、海外に住んでいますが、たとえばお土産に、モダンで素敵な和柄の物を上げてもちっとも喜ばれません。
こてこて、浮世絵の富士山とか、こけしとか喜ばれます。
ある意味、理解不能。。。
ということで、日本人が考える和と、世界の人が思う日本には差があります。
羽生結弦君は世界で戦っていますから、日本の人よりも、大多数の世界の人に評価されるプログラムを作るべきです。
ということで、シェイリーン・ボーンさんに振り付けをお願いしたのは、よかったのではないかと、個人的に思います。
また、このプログラムを作るにあたり、羽生結弦君とシェイリーン・ボーンさんは能や狂言を始め和について勉強したそうです。
そして、羽生結弦(日本人)とシェリー・ボーンさん(カナダ人)で、和について理解を深めてプログラムを作ったそうですから、和について理解できたとは思えませんが、日本人が思う和の良さと、海外の人が思う和の良さを融合できているのではないでしょうか。
続きの記事はこちら → 羽生結弦2015-2016プログラム陰陽師。海外の反応、そしてどう評価されるか